アリス・紗良・オットさんが、難病を告白されましたね…
ピアニスト、多発性硬化症といえば、まさにそのままと言えるような小説がありました。
音楽と推理小説の融合がここに
※ネタバレ含みます。ご注意ください。飛ばしたい人は目次で次の段へどうぞ!
なんと舞台が音大の推理小説なんです。
音大生の城戸晶は生活に困窮していた。実家からの仕送りが途絶え、練習時間をアルバイトに充てても学費を払いきれず、学生課からも請求書が届く有り様だった。そんな中、“稀代のラフマニノフ弾き”と呼ばれる学長・柘植彰良と定期演奏会で共演するメンバーをオーディションによって選ぶことが告げられる。この演奏会は国内外の音楽関係者からも注目されているうえ、コンマスはストラディバリウスを使用でき、更には後期の学費も免除されるのだ。これを蜘蛛の糸と捉えた晶は、臨時講師の岬洋介に励まされながらも一心不乱に練習に取り組み、なんとかコンマスの座を射止める。それからの日々は、晶にとってストラディバリウスと共に過ごせる夢のようなものだったが、ある日、彰良の孫娘である初音が使用する時価2億円のチェロ(ストラディバリウス)が保管室から盗み出されてしまった。その後も準備室に保管されていたピアノの破壊、大学の公式サイトへの殺人予告など事件は続いた。
そして、演奏会当日。総勢56人のオーケストラが渾身の演奏を終えたあと、岬は一連の事件の真相を語り始める。
(ウイキペディアより引用・中略)
話の面白さももちろんですが、文章が本当に綺麗です。
音楽好きな方にも楽しめるのではないかと思うくらい、文章の中から音が鳴っているような感じがします。
なんとなく「ピアノ」という言葉からどの人が多発性硬化症なのかはなんとなく予想がついちゃいますね。
事実は小説よりも奇なりと言いますが、まさに小説の登場人物が現代に出てきたような気がしました。
アリス・紗良・オットさんのご回復をお祈りします。
自分のあるがままを受け入れる
障害受容という言葉を知っていますか?
「障害の受容とはあきらめでも居直りでもなく、障害に対する価値観(感)の転換であり、障害をもつことが自己の全体としての人間的価値を低下させるものではないことの認識と体得を通じて、恥の意識や劣等感を克服し、積極的な生活態度に転ずること」(上田[1980])
「障害が不便であり制約的なもの(inconveniencing and limiing)として認識しており、それを改善するための努力も続けているが、今や障害が自分の人間としての価値を低めるものではない(nondevaluating)」(上田[1980])
水泳の池江選手の白血病の件もそうですが、ご自身の病名を公にすることは、想像もつかないくらいの覚悟が必要だと思います。
障害を受け入れていくには、
ショック期
↓
否認期
↓
混乱期
↓
努力期
↓
受容期
と、何段階かの段階を踏んでいきます。
「そんなはずはない!と否定する」時期、
「頭ではわかっているけど心が追い付かない」時期、
「障害を受け入れかつ自分の一部として共に過ごすことができる」時期。
簡単にいえばそんな感じです。
身体の回復のためにリハビリや治療をするだけじゃありません。
障害や病気を持った方は心もこんなにたくさんの苦しみを味わって変化しています。
だからこそ、どこからかわからない強さを持っておられるのだなと思います。
病気だけではありません。
誰もがコンプレックスを持っていますよね。
「鼻が低い」とか「足が遅い」とか…
それをみんな否定して見ないふりをしようとして生きています。
もちろんそのコンプレックスをなくそうと努力することもします。
実は上の二つ、私のコンプレックスです。
どうにもこうにも解決できず、ここまで来ました。
そのコンプレックスだって、あなたの一部です。
それが欠けていてもありすぎても「あなた」ではありません。
自分のありのままを受け入れること、
それが自分の心のざらざらしたところを取り除いて鎮めてくれるはずです。
でもたまに、「あーあと1㎝鼻が高かったらな」と鏡を見て落ち込むこともあるので、私もまだまだ。
ヨガの実践を続けていくのみです。
岬先生シリーズ、他にもあります
おやすみラフマニノフの主役は昌くんですが、
陰の主役は岬先生です!
いやーとってもとってもかっこいいです 笑
岬先生が事件を解決していくこのシリーズ、他にも色々あるので機会があれば読んでみてくださいね!
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