前々回の記事では骨盤についてお話ししたので、今回は股関節の話をしたいと思います。
前々回の記事↓↓
股関節ってそもそもどこにあるの?どんな形?
股関節は骨盤と大腿骨をつなぐ関節、足の付け根の関節のことを言います。
大腿骨の先(骨頭)がボールのように丸くなり、骨盤側のソケット(関節窩)が上から覆いかぶさるようにして関節が形作られています。
骨頭が丸くなっているため、膝などとは違い、股関節はあらゆる方向に動くことができるのです。
ちなみに同じように自由度が高い関節には、肩関節があげられます。
股関節の動きは、主に6つです。
①屈曲(太ももを前に出す動き)
②伸展(後ろに引く動き)
③外転(外に開く動き)
④内転(内に閉じる動き)
⑤外旋(外にねじる動き)
⑥内旋(内にねじる動き)
この6つの動きは一方向的に起こるのではなくて、いくつかの動きが組み合わさって、複雑な股関節の運動を作り出しています。
例えばあぐらを組む動き。
これは股関節の屈曲と外転と外旋の組み合わせです。
ポーズでいうと、ヴィラバドラーサナⅠ(戦士のポーズⅠ)なんかは前の足は股関節屈曲して踏み込んでいて、後ろの足は股関節伸展の動きをしています。
この6つの動き、それぞれにはたらく筋肉が違います。
今、自分はどの動きをしているのか?
それを知っていると力の動かす方向も分るし、効率よく筋肉を使うことが出来るので、よりポーズの完成度も上げやすくなりますよ。
どんな難しいポーズもこの6つの動きの組み合わせです。
ポーズをいくつかに仲間分けしようとした時、この動きの何が含まれるかによってわけることができるわけです。
ナタラジャーサナ(弓弾くポーズ)ってありますよね?
片脚立ちして、身体と脚を反らせて、完成形としては両手で後ろ足を掴む、ってやつです。
いきなりやろうとして出来る人、いませんよね?
ナタラジャーサナを練習するためにまずは股関節を柔らかくする必要がありますね。
これ、後ろの股関節伸展してませんか?
じゃあ、股関節を伸展できる他のポーズを練習したらいい。
それが徐々に深まっていくと少しずつ後ろ足はより上に反らせていくことができるようになります。
もちろん、肩の柔らかさとか、体幹の柔らかさ・強さとか、軸足の安定性とか、やらなくてはいけないことは山ほどあります。
が、複雑なポーズは応用問題と同じです。
ひとつひとつ分解して、自分の出来る簡単なポーズ、基本から練習して深めていけば、必ず難しいポーズの完成へ近づくことが出来ますよ。あせらずコツコツ!です。
これだけは覚えておくべき股関節の筋肉たち
股関節にはすごくたくさんの、そして大きな筋肉が集まっています。
それらを少しご紹介します。
これを知っておくと嫌な筋トレも少しは楽しくなるかも?
①大腿四頭筋
ご存知の方も多いでしょう。太ももの前側の筋肉のことです。体の筋肉の中で一番発揮できる力が大きい筋肉です。
主に膝を伸ばす(伸展)の動きをしますが、股関節屈曲の動きも行います。
大きな筋肉で力も大きいので、股関節の他の筋肉がうまく使えないと、ここばっかり使ってしまいます。前腿が張ってしまう人はそういう人が多いです。
②殿筋
お尻の筋肉のことです。
一番知られているのが大殿筋、股関節を伸展させる筋肉です。体の中で一番大きいのが、大殿筋です。
ただ、お尻の筋肉は何層にも重なっており、
他にも中殿筋と言われる股関節を外転させる筋肉や、外旋・内旋させる筋肉もその深層についています。
特に梨状筋という筋肉は硬くなっている人が多いです!ここがほぐれるだけでだいぶ違います!
③ハムストリングス
太ももの裏の筋肉です。
膝の屈曲(曲げる)作用と、股関節の伸展の作用があります。
前屈硬い!腿裏ちぎれる!て人が伸ばされてるのがこれです。
小難しい知識ですが、要はたくさんの筋肉がついていること、それらひとつひとつに役割があって、筋肉によって関節がいろんな方向に動いているんだよ、っていうことを知っておいてもらえたらいいと思います。
股関節が硬いと何が悪いの?
股関節って骨盤と脚をつなげる関節です。
だから股関節の硬さは骨盤へすごく影響してくるんです。
股関節の前側の筋肉が硬いと骨盤が前傾しやすく反り腰になりやすいし、両脚の筋肉の左右差があると、骨盤の歪みにもつながります。
股関節の筋肉の弱さは、膝に負担がかけてしまいます。
例えばランジの時、股関節でコントロールできないと、膝が内にねじれてしまうことがよくあります。
股関節が硬い・弱いことは他の部分の痛みを引き起こすリスクがある、ということをぜひ知ってほしいと思います。
股関節のためのポーズ、お教えします
股関節をゆるめられるポーズをご紹介します。
スプタバタコナーサナ(仰向け合せきのポーズ)
①足の裏同士を合わせて仰向けになります。
②膝や太ももの裏がある外側が床から離れて不安定な場合は、ブランケットやブロックなどで隙間を埋めます。
③腕は楽なところにおろし、呼吸をつづけます。
※吐く息と共に太ももが床の方に降りていくのを感じましょう。できれば膝のあたりではなく、脚の付け根(鼠径部)のあたりに重さがあるイメージをすると股関節がゆるんでいきます。
これは比較的安全にお家でもできるのでオススメですよ!
1日の終わりに少し目を閉じてリラックスしてみてください〜
360°可動範囲を持つ柔らかさと筋肉の強さと、どちらも兼ね備えた股関節、ほぐして鍛えて、怪我をしない、よりしなやかな身体につなげていきましょう!
最後まで読んでいただきありがとうございます♪
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